決算公告が義務付けられていても出さない理由とは

決算公告を出さない理由とは

決算公告は株式会社に義務付けられているものですが、非上場企業の多くが決算公告を行っていないと言われています。
もし違反した場合には、100万円以下の罰金が課されます。

しかし実際には適用された用は少ないものです。
理由としては決算公告をしなくても事業や取引が行えるためです。
しかしながら、会社や企業のコンプライアンスに対して世間的に厳しくなっており、今後は中小企業の決算公告に関する状況は変化する可能性もあります。

会社法の中に、定時株主総会の終結後に遅れることなく、貸借対照表やその要旨を公告しなければならないと記載されています。
より規模の大きな会社の場合には、これらに加えて損益計算書も必要となります。
しかし有価証券報告書の提出が義務となっている上場会社や、会社法施行以前に決算公告をする義務がなかった特例有限会社の場合には、必要はないものとされています。

全国中小企業団体中央会が2013年に、ネットでの決算公告をサイト上で請け負うサービスの提供を開始しました。
その結果150件の応募がありましたが、それ以後の利用は増加せず、現在は160件程度にとどまっています。
また、決算公告代行サービスを行っているCSCによれば、決算公告を行っている企業は株式会社全体の数%程度度低い水準になっています。

決算公告を怠った場合の罰則はありますが、実際に適用された例が少ないために決算公告をしない企業が多いままとなっています。
企業が決算公告を行わない理由としては、他の企業に経営状況を知られたくない、コストがかかりすぎる、手続きが面倒といったためです。

今後はマイナスに働く可能性がある

決算を開示しなかったとしても、業務上に全く支障がないため、企業の多くは決算公告を行っていません。
また銀行が融資を行う際に、融資する企業が決算公告をしなくても特に影響がないことも理由として挙げられます。
反対に毎年決算公告をすることで、費用が掛かってしまうため、あえて企業は決算公告をすることは避けています。

しかしこの状況も将来的には変わっていくものと思われます。企業の社会的責任に対して非常に厳しくなっている時代の中、決算公告を行わないことでイメージダウンになってしまう恐れがあります。
中小企業であってもこの点は同様なのです。決算をオープンにしないことで、イメージが悪化し、売り上げなどでマイナスに働く可能性は大きいと言われています。

また万が一罰則規定が厳しくなった場合には、どの中小企業も決算公告をしなければならなくなっていくことでしょう。
そうなった場合、コストや時間がかかってしまっても決算公告をしなければならなくなります。