上場企業であることの利点
上場企業の利点
上場企業が他の会社と比べて良い点は、まず何よりも知名度が高く信頼性が高いという点です。
証券取引所の条件をクリアして一部上場を果たした企業は、取引のための企業コードを割り振られ会社四季報など有名な株式情報を扱うメディアにその名前などを公表されます。
そのため、非上場の時に比べて企業名が一般の人の目に触れる機会が爆発的に増えるため、一気に企業としてのステイタスが上がります。
現在私達がよく耳にする大手メーカーや販売会社のほとんどが一部上場企業となっていることもあり、「一部上場=有名企業の仲間入り」というイメージも知名度や信頼性を高めるための大きな要素となっています。
ただし、よく聞く有名企業の中にも戦略的に上場をしないという路線を選んでいるところもあります。有名なところではロッテやサントリーなどです。
上場をすることによって企業側に得ることのできるメリットは、自社株式をより多くの人に購入してもらうことができることによる資金調達ができるという点です。
非上場企業の場合、企業運営に関わる出資は経営者やごく限られた縁者たちのみによって行われるので調達金額には限りがあります。
しかし反面で、上場をして多くの人から出資金を集めることになると、それだけ企業内部の情報を多くの人に対して公開をしなくてはならなくなったり、また株主総会で多くの出資金を出してもらっている人などからの経営方針への意見を受け入れなくてはならなくなります。
更に、2005年のライブドア事件に代表されるように、他の大資本を持った企業から突然会社全体を買い取られてしまうという危険性も覚悟しなくてはならなくなります。
企業価値の上昇
しかしながら、上場企業であるということによる企業価値の上昇はその危険性を差し引いても非常に高いものであるといえます。
上場企業であるということは、証券取引所の提示する条件を上回るキャパシティーを持っており、かつ継続的に運営を行うことができている企業ということができるからです。
極端な話、上場していない会社の場合、商取引をしていて突然連絡ができなくなってしまったり、夜逃げ同然にいなくなってしまわれる可能性もあるわけです。
ロッテやサントリーのように既に社会的な認知度が十分に高い企業である場合は例外として、あまり一般の人にとっては馴染みの薄い業種の場合などは、やはり上場をしているかどうかは信頼性の一つとしてかなり強い力をもつものと言えます。