上場企業と就職活動

上場企業のメリット

上場企業であるということのメリットは、一般投資者から幅広く出資金を集めることができることですが、実はそれだけではありません。
それまで非上場路線を貫いてきた企業が突然上場を目指すようなケースもよくあるのですが、これは求人活動をする上においてより優秀な人材を集めやすくするという効果を狙っているからでもあります。
企業への投資をするかどうかの判断のために会社四季報は必須のアイテムとなっていますが、これから就職活動をする学生にとっても四季報は重要な判断基準となっているのです。
企業が証券取引所に上場をすると、出資金を集めるために運営状況を示す財務諸表の公開が義務付けられます。
これは、一見秘密にしてきた情報を表に出すというマイナス面があるもののように思われますが、逆に考えれば「こんなに良い状態を続けてきています」と信頼性を証明するための積極利用もすることができるのです。

最近は求人数の減少が著しいことから、就職においては買い手市場と思われています。
ですが、実際の就職活動の現場を見てみると、優秀な学生ほど長期的に安定して勤務をすることができる企業を厳選する動きをしているため、きちんとした情報公開がされておりかつ内容が安定している企業ほど、優先的によい人材を求めやすくなっています。

雇うコスト

強気なように見える企業側にとっても、正社員を雇い入れるということにはかなり多額のコストがかかるので、できれば自社にマッチした優秀な人材が来てくれることを望んでいます。
そのため、あえて上場企業として名乗りを上げることで、他社と比較しての優位性を示し優秀な人材に魅力をアピールすることができるというわけです。

最近では異業種同士の合コンやお見合いパーティーを開いた時、女性の中には四季報を持ち込んで会話の中で聞きだした企業名をトイレでこっそりチェックするということもされているとさえ言われています。
安定性をより多くの人が求めている時代であればこそ、積極的な情報開示を公平な手段で行うことができる上場は、企業側と求人側(と、よい結婚相手を求める女性など)にとっても高いニーズがあるものとなっているようです。
今後はただ単に「上場企業である」というだけでなく、より細かく財務状況などをチェックしてその人や企業を判断するようなことが当たり前に行われる時代になっていくことでしょう。
四季報などの諸表の読み方も早めにマスターしておいた方がよさそうですね。