方針にこだわらない

適切な方針転換

経営方針というのは、経営全体の行く先を決める非常に重要なことです。
そのため、会社としての経営方針を定め、それに向けた努力というものを進めていく必要があります。
ただ、この経営方針というのは、あまりに頑ななものであっても良くないと言えるでしょう。

経営の状況というのは、刻々と変化していくのが普通です。
昨日はその方針でよかったものが、翌日には悪くなってしまうということも少なからずあることでしょう。
そういった時に、柔軟な方針転換を打ち出すことが出来る能力というのも、リーダーとしての資質となります。

当然といえば当然ですが、一度決めたことというのは変えたくないのが人情です。
方針転換というのは労力のいるもので、できるだけそこを変えることなく動きたいと思うのは当然でしょう。
しかし、変えなければいけないことを分かっていながら放置するのは、経営者としての能力に欠けていると言わざるを得ません。

ではどうするべきなのか、ということを考えてみましょう。
方針転換を行なう場合に重要になるのが、すでにその方針に向かって動いている部下達に対してどのように説明し、納得を得るのかということです。
納得を得ることもなく朝令暮改を行えば、当然部下たちからの反発を買うことになりますし、新目標に対する推進力を失ってしまう事にもなりかねません。

納得させる能力

そういう意味では、方針転換をすることが出来る能力というのはイコール周囲の人間を納得させることが出来る能力、と言い換えてもいいでしょう。
では、その能力を習得するためにはどうするべきなのでしょうか?
これは何より、普段から信頼されるリーダーであるかどうか、ということが重要になってきます。

普段から信頼されるリーダーなのであれば、方針転換を行った時にも「あの人の言うことならば間違いないだろう」という部下の信頼を得ることが出来るでしょう。
もちろん、全社員から信頼を集めるリーダーになることは難しいですが、少なくとも管理職の人たちからの信頼を得られるような人物であることが重要です。
そして同様に、管理職の人たちもその部下から信頼されるような人物でなければなりません。

そうすることで、ひとりひとりの社員が直接経営者のことを信頼しているわけではないものの、間接的に信頼しているという状況を作り出すことが出来ます。
そうすることが出来れば、経営方針の転換を行いやすくなることでしょう。

ただ、忘れてはいけないのは人の信頼感というのは意外と簡単にくずれてしまうということです。
朝令暮改に信頼してついていった結果失敗をしてしまった場合、次の方針転換の際に同じ様に信頼を得られるとは限らないでしょう。
一つ一つのことを考え、信頼を勝ち取ることが求められます。