徳島県の上場企業

食と文化を生かしたまちづくり

徳島県は四国四県のうち東南に位置する関西地域からの玄関口となっている県です。

関東以北に住んでいる人にとっては「徳島県」と聞いてすぐに場所がわかる人はそれほど多くないようですが、全国的に有名な「阿波踊り」の発祥地と聞けば大抵の人はわかってくれるのではないかと思います。

徳島県の人口は約78万人と1970年代より急激に減少傾向を見せている全国でもかなり深刻な過疎地域となっています。

その一方でそうした過疎化を逆手に取ったコミュニティを基本としたビジネススタイルはまちおこしとしての成功例となり、全国ではこの徳島県のケースをモデルにした地域事業が行われるようにもなっています。

とはいえ深刻な人材不足は県内産業の大きな障害となっていることは確かであり、今後は県内の観光資源を維持しつつどのように経済活動を活発化させていくかということが大きな課題です。

しかしながら徳島県には大鳴門海峡大橋や明石海峡大橋の開通という関西主要年とのアクセス状況が飛躍的に改善したことや、そのことによる高速バス運行の定期化によってビジネスや観光目的の人が多く往来できるようになったという追い風もあり、熱心な企業誘致のための活動が展開されています。

阿波製紙【3896】

徳島県を代表する最も有名な一部上場企業と言えばやはり阿波製紙株式会社でしょう。

阿波製紙は徳島県徳島市に本社および工場を置いている地元密着の製紙会社であり、その他にも研究所や事業所も徳島県内に置くという地元事業への強いこだわりがあります。

創業は大正5年(1916年)2月と、つい最近に100周年を迎えたところです。

創業時より徳島県徳島市内で企業活動をしており、特に書道用半紙での大きなシェアを獲得したことにより一気に製紙会社として拡大をしていくことになりました。

現在では製紙だけでなく繊維や粉体、不織布といったさまざまな原材料を使った製品も製造しており、研究にも熱心に投資をしていることから新しい製紙関連製品を生み出す余力を感じさせています。

海外の製紙会社とも積極的に連携をしており、日本国内の大手製紙会社とは一線を画する独自の路線を貫く企業というふうにいえます。

ジャストシステム【4686】

あまり知られていませんが、「一太郎」などパソコンソフトウェア会社として有名なジャストシステムも徳島県に本社を置く上場企業です。

現在では東京本社と徳島本社の二つに本社機能を持たせていますが、基本的は徳島県に軸足を置く地方企業の一つとなっています。

株式会社ジャストシステムの創業は1979年からで、以降「ことば」と「ドキュメント」の二つをキーワードにしたパソコン製品とサービスを提供しています。

ジャストシステムの「一太郎」シリーズは公官庁で使用されるワープロと表計算ソフトとして広く導入されたのですが、その後WindowsとMicrosoft Officeシリーズが一般に広く普及していったことによりシェアは縮小していくことになりました。

しかし現在も日本語独特の縦書きや変換機能においては強みがあるとして、根強いユーザーのいるヒット商品として販売が継続されています。

現在ジャストシステムが力を入れているのが「スマイルゼミ」などの教育ソフトの提供で、タブレットに対応した子供向け学習ソフトサービスが人気となっています。