上場企業の保育サービス

企業の保育サービス

この20年の間ずっと日本国内では景気の低迷が続いており、工業や産業、サービスなどほぼすべての業種で売上は減少もしくは横ばいの状況となっています。
ですがそんな社会情勢の中でも上昇傾向を続けている珍しい業種もあります。
それが、保育サービスと介護サービスです。
特に保育サービスは少子化と言われていつつも着実に業界全体の売上高を伸ばしてきており、2003年には約2,500億円の売上高が2011年度には5,000億円まであと少しというくらいの金額に達しています。
これは2010年に閣議決定された「子供・子育てビジョン」により首都圏など主要都市の待機児童問題解消のたために認可保育所の定員を以後5年間で26万人増やす目標を掲げられたことが影響しています。
働く女性の子供の子育てを支援するために、企業内に保育施設を設ける企業が増えており、保育士の派遣サービスの需要が高まっているのです。
並行して、保育士関連の求人サイトでも企業内で働く保育士の案件も増えています。
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これまでは地域の保育は認可を受けた自治体による保育所が行うことが主流となっていましたが、徐々に株式会社化した保育サービス企業に運営を認める方向となっています。
認可保育所となることで補助金の対象となることもでき、独立した保育サービスの他病院や企業の福利厚生のための保育を請け負うケースも増えています。
現在日本国内の保育産業企業のうちシェアトップを維持しているのは東証一部上場のJPホールディングス(2749)です。
JPホールディングスの売上高は100億円を超えており、現在のところ保育産業を行う株式会社の中では最も上昇している企業と言えます。
また保育サービスのみでなく育児用品販売も行なっているピジョンや、引越し産業で有名なアートコーポレーションが子会社としてアートチャイルドケアという企業を作り本格的に保育サービスを行なっています。

保育士資格所有者の不足

ただしこれら産業にとって将来的な不安要素となっているのが保育士資格所有者の不足です。
これからますます保育サービスの需要は高まっていくことが予想されているのですが、そのスピードが余りにも急であることから実際に子供を預かることのできる経験や知識を持った人材の育成が間に合わないのです。
JPホールディングスはその事態を見越して保育士資格が取得できる学校への奨学金を用意しており、卒業後すぐに採用できる人材の確保につとめています。
今後は現在株式会社化している保育サービスがどんどん上場してゆき、また新興産業が出てくるのではないかと思われます。
また数年以内に保育サービス事業間の競争が今以上に激しくなることも予想されます。