肩書きと信頼性の問題

肩書き

上場企業ともなると、名刺一つの肩書きが社会的に与える影響力もずっと高いものとなります。
中小企業など人材の育成や維持に苦心をする企業にとっては、そうした有名上場企業上がりの人材を確保したり、新たな取引先とすることができるというのは、とても喜ばしいことのようにも思えます。
対外的にも、「うちには○○社で営業部長を経験した人材がいる」「取引先として○○社と契約をしている」と言うことができれば、それだけで自社にとっても大きなメリットとなるように思えてしまします。
ですが注意をしておきたいのが、果たしてその肩書は内容をきちんと示すものであるかどうかということです。
大手企業の中には肩書きと実際の内容に大きなギャップがある場合があります。
むしろその肩書を得ることで大きな犠牲を払ってしまうことにもなるというケースもあるので注意が必要です。

上場企業の中には、かつては有名メーカーとして世界的な評価を受けたことがあるものの、現在では社内で生産能力や開発能力を持たず、そのほとんどを外注によって行なっている企業という企業もあります。
コスト削減や人員経費を下げるため、自社内で行なってきたことをどんどん社外の下請けを買い叩いてさせるという方法をとりつづけるあまり、自社内に独自のノウハウや技術を残すことができず、張り子のトラのようになってしまっている場合です。

有名企業

新たに取引先として有名上場企業と取引をする場合も同じで、突然地方の中小企業に仕事の誘いが来た時などはちょっと注意をした方がよいかもしれません。
なぜなら当然同じ業務はそれまで別の取引先を行なってきたわけであるのに、突然地方の中小企業に声をかけてくるということは、それまでの下請け先よりももっと安い価格で買い叩いた仕事を任せることができるところを探しているというふうに読み取ることができるからです。

上場企業が肩書きとして感じるような優れた業務内容を持っているかどうかという判断については、まずは冷静に四季報などで企業内情報を探ることから始めた方がよいでしょう。
企業の操業年数に対して社員の平均年齢が非常に高い場合や、社員数に対して売上高が低い企業などは黄色信号です。
一概に数字だけを見て良し悪しを決めることはできませんが、風通しが悪く従来型の業務のまま営業をしている企業というのは、従業員一人あたりの売上高が低く、かかっているコストが高くなっている可能性があります。