珍しい上場企業紹介

珍しいサービスの上場企業

上場企業の中には、「え?そんな業種まで」と思ってしまうような珍しいサービス内容の企業も多く存在しています。
中でも、個人的に驚いたのは葬儀関連企業です。
考えてみれば、最近では葬儀は自宅などで直接お坊さんを呼んで行うような場合の方が少なく、都会で暮らす人ばかりでなくかなり地方在住の人間でも葬儀場としてセレモニーホールを手配したり、専門のスタッフにお願いして式典を開いてもらったりすることが当たり前になってきているので、それらを組織的に行う企業が売上を伸ばしていたとしても全く不思議ではありません。
現在までのところ、葬儀関連会社は合計5社ありますが、その中でも東証・大証両方で一部上場をしているのは一社のみのようです。

東証と大証で一部上場している葬儀社は「公益社」という会社で、これは燦ホールディングス株式会社(9628)のグループ企業です。

葬儀の公益社ホームページ

葬祭業界のトップ企業

燦ホールディングスは葬祭業界のトップ企業として有名な会社で、1932年(昭和7年)創業と、大変長い歴史があります。燦ホールディングスのグループ企業の中でも葬儀部門を運営している公益社は中でも主力となっています。
本社が大阪であることもあり、燦ホールディングスは最初1994年に大阪証券取引所の2部に上場し、のち2000年に東京証券取引所の2部に上場、さらに2001年に両証券取引所で1部上場銘柄となりました。
公益社は、単に葬儀式典の運営だけでなく、料理の仕出しや生花・返礼品の販売、さらにはマイクロバスや霊柩車の運行といった、葬儀関連の事業を幅広く手がけており、一体的に葬儀の運営を行うことのできるというところで他の葬儀社と大きく差別化されています。

上場企業の運営においては一般投資者などへの情報公開も大きなポイントとなっていますが、燦ホールディングスは主力部門である公益社をはじめ、出資者に対して積極的な事業内容の説明会を行なっています。
また同業者のM&Aにも積極的に取り組んでおり、事業の拡大にも前向きです。
葬儀社という特殊なサービス内容を専門的に伸ばした、異色な存在の企業であると言えます。
葬儀社そのものは非上場のものを含めると、現在日本国内だけで5000~6000社程度があるのではないかと言われています。
その中にあって、確かな過去の実績証明が必要となる上場を果たしているのはわずか5社しかないという実情を考えると、やはり上場しているかどうかというのはその業界において企業が信頼出来るかどうかの重要なポイントと言えます。