段取りを意識する

段取の形成

経営者の資質として求められることの一つに、段取りを意識する、ということがあります。
物事にはどんなものにも段取りというものが存在しており、それは経営においても同じことです。
一つ一つの段取りを確認し、常に意識して経営方針を定めていくことが会社全体の成長のためには欠かせないポイントとなるでしょう。

ただ、この段取りにも大きく分けて2つのものが存在しています。
それは「長期的な段取り」と「短期的な段取り」の2つです。
この2つが両方混在しているということを意識することが出来なければ、経営者として成功することは出来ないでしょう。

では、長期的な段取りというのはどのようなもので、どのように設定し、どう意識していくべきでしょうか?
長期的で段取りは、例えば数年後自分の会社がどうなっているのか、という大きな目標を指しています。
5年後に一部上場、というような目標に向かって、どのようなことをしていくべきなのか?ということが長期的な段取りということになるでしょう。

長期的な段取りの設定は、まず目標の設定が重要になります。
どう考えても夢物語のような目標を設定しても具体的な段取りを立てることが出来ません。
かといって、すぐに実現出来てしまうような現実的すぎる目標を設定すると、段取りがほとんどなく目の前のことだけになってしまいます。

実現可能でありながら、そこそこ遠い目標を設定することが長期的段取り作りにおいて重要になるでしょう。
そのことを判断するためには、少なくとも自分の会社の現状について常に把握しておく必要があります。
現実を見つめ、その上で目標を設定することが長期的段取りにおいて重要になる、ということです。

段取りの意識

その長期的な段取りに対して、一つ一つ実行していくために必要となるのが短期的な段取りとなります。
例えば先ほどの「五年後に一部上場」を長期的目標として作った、「今年の内の利益の○%上昇」といったような段取りがあるとします。
これを実現するために、より小さく短期的な段取を作っていく必要があるということです。

「営業の効率化」や「経費の圧縮」など、一つ一つの目標を建てて小さな段取を形成していくことが重要になるでしょう。
ただ、この小さな段取の意識というのが意外に難しい部分になります。
というのも、目先の目標となる小さな段取に気を取られ、最初に作った長期的な目標を忘れてしまうことが少なからずあるためです。

一つ一つの段取をこなした時に達成したという意識になってしまい、次の段取の設定を忘れてしまうようなことがないようにしていかなければなりません。
小さな段取については部下に任せ、自分は大きな目標に向けた段取の形成をしていくことが経営者の才覚です。