いつでも平常心

平常心を保つ

リーダーとしての資質の一つとして、いついかなる時であっても平常心を保つことが出来る、ということを一つあげる事ができます。
経営というものは必ず浮き沈みがあるもので、良い時と悪い時で経営の方針が大きく変わってしまう会社というのは安定性に掛けると言わざるを得ません。

例えば経営が好調な時に、それに浮かれて無謀な経営拡張などを行なうと、好調が元に戻った段階において経営が破綻してしまう可能性があります。
このことはバブル時代の経営を見ていると如実に見て取れるのではないでしょうか?
経営が良いと思った途端に不動産投資に手を出し、バブルの崩壊によってとんでもない目にあった会社というのは数知れずにあります。

逆に、経営が悪い状態になった時に必要以上に焦ってしまい経営方針を誤ってしまう人物もまた経営者としての資質に欠けています。
経営が悪くなった時には当然、ある程度の経営縮小というものが必要となるでしょう。
この際に、真っ先に人的資源に手を付けてリストラを行なうようでは、経営が悪化から立ち直った後に会社を回していく優秀な人材がいなくなってしまっていることになります。

さらに、そういったことをしている会社には他の人材も見切りを付けてしまう可能性が多く、人材の流出が止まらず取り返しのつかないことになってしまう可能性があるでしょう。
このように、好調・不調にかぎらず平常心を失ってしまうことは後の経営に対して大きなダメージを与えることになる可能性があるわけです。

平常の意味

では、どのような経営状態でも動じずにずっと同じ経営方針を貫くべきなのか?というとそういう意味ではありません。
当然経営状態にあわせて、ある程度臨機応変に変更をつけていくことは会社の成長と維持において重要な要素となります。

例えば会社が好調な経営状態にもかかわらず、その収益分をすべて内部留保にまわしてしまうようでは会社の成長がありません。
ある程度の内部留保は行いつつも、設備投資などを行って経営を拡大していく、拡大再生産の考えがなければ会社は成り立ちません。
資本主義において、停滞はゼロではなくマイナスだということはしっかり理解し、常に成長を進められるように考えて置かなければなりません。

逆に不調にもかかわらず、特に人材整理や経営圧縮などを行わなければ、ただちに問題が発生してしまうことでしょう。
銀行融資を受けて活動をしている会社ならば、経営悪化が見られるとそういった指導を銀行から受けることとなり、改善が見られないと融資を引き上げられてしまう可能性もあります。
そういったことをも視野にいれ、常に今の状況においてどのように行動するのがベストなのかを検討出来る人物が経営者として求められます。