自らを厳しく率先して行動できる
家康に学ぶ
言わずと知れた戦国時代の覇者である徳川家康公。
実は彼の持っていた資質や考え方というのは、経営者としても重要で見習うことが出来る部分がありました。
そこでここでは、家康公の実践していた、経営にも利用することが出来る考え方というものを紹介していきたいと思います。
家康公は質素倹約を旨とする人物でした。
天下の覇者でありながら豪勢な食事をすることもなく、安土城や大阪城のように華美を極めた城を建設するようなこともしていません。
それまでの天下のリーダー像というのは、多くの人を支配し、崇められるような人物であったのにたいして、この違いというのはなぜ生まれたのでしょうか?
それは、家康公の考えとして、部下にしてほしいことは、自分自身が行動しなければ示しがつかず、反発を招いてしまう、事があったためです。
例えば自分が絢爛豪華な生活をしておきながら、自分の家臣には質素倹約の旨を申し付けたとしてもそれは反発を招くだけで聞き入れてもらう事ができないでしょう。
このことは家康公だけではなく、八代将軍吉宗公にも引継がれ、大規模な倹約政策の実施に成功したという実績として残されました。
このように、自分の考えを下の者達に理解してもらい、実践してもらうためにはまず自分から率先して動くことが重要である、ということです。
これは経営においても全く同じ事が言えるでしょう。
リーダーとして、部下に対して示しの付かないことをしていては本当の意味で慕ってくれる人物が存在しなくなってしまいます。
自ら率先した行動を
特にこれが言えるのが、嫌がることをやる、という姿勢です。
仕事は生活のためと割り切っているものの、自分達にだけ不当に厳しい仕事を強いられるようでは、当然嫌になってしまう人が出ることは想定できます。
そのため、会社において社員に対して負担となるようなことを強いる場合には、まず自分がその負担を背負い、そのことを示した上で皆に理解を求めることが重要になってくることになります。
例えば今後グローバル化が進むことから社内の公用語を英語にする、という方針を打ち立てたとします。
そうであるにもかかわらず、自分は英語が喋れずに日本語でしゃべっているようでは誰もそんな話をマトモに受け止めてはくれないでしょう。
経営の悪化などによって給与が下がってしまうという事態が発生した時にも、まず経営陣の報酬から削らなければ、当然社員達の反感を買い、大量の離職者を産んでしまうことにもなります。
本当に会社が厳しい時に、社員についてきて欲しいとかんがえるのであれば、当然それなりのことをしていく必要がある、ということです。
ただ、これは場合によっては社員から甘く見られてしまう可能性もはらんでいることなので、バランス感覚が重要です。